閉塞
コロナがもたらした混乱は、社会をどんどん変えている。
今まで季節ごとに、時期がきたら、と行っていた予定行動が出来ない。なんだか不思議な閉塞感がある。ある時までにこれをやらなくては、、。そんな緊迫感はない。でも、気味の悪い緊張感がある。
何もかも予定通りでないのに、予定されていたことに近づけようとしている、そういう無理が、なんだか辛い。
みんなが無理をしながら、休み方を忘れてしまった。
そんな感じがする。
ゆっくりしていて、休んでいない。そんな気持ちの悪い閉塞感が漂う。コロナのせいで、出来なくなったことが、たくさんありすぎて悲しい。
– 思い出作りさせてください。
– 文化祭。部活。体育大会。合唱コンクールに、球技大会。
– なんでもいいんです。思い出を。
そんな高校生の声が聞こえる。
笑う、騒ぐ、怒られる。
じゃれて、くっついて、ずっこける。
そんな当たり前が、どうしていけないのか。
感染するから。ほんとうなのか?耳を疑う。
でも、試すわけにはいかない。
代償にできるものが、みつからない。
やってみて、もしだめだったら、、。
命を担保に何が出来よう、、。
そんな縛りを、誰もが気にしている。
私たちはみんな、見えない鎖で繋がれた囚人のようだ。
– 命を失くすかもしれないよ、、。
そんな風にささやく変な鎖だ。
移動の自由は、命の次に大事だという。
好きな時に好きなところへ行って。
海を見たり、街をぶらついたり。
好きな人に会いに行って、一緒にどこかに出かけて。
声を出すことも、歌を歌うことも、たしか大事なことだった。誰かに自分を見てもらうことも、大勢の人と顔を合わすことも、大切な時間だったんだ。
– まだ来ないの、もう!あんなに言ったのに!!
待ち合わせにいつも遅れる友達を、文句を言いながらみんなで待つ楽しさ。そんあ”集い“の楽しさも、すっかりどこかに消えてしまった。
たまに日曜日に会う友達の、「あ、こんな服装のヤツ?」なんていう驚きも、楽しい集いの、失われた一コマだ。
コロナ、コロナ、もうクルナ。
コロナでなくても、また何かが来るのだろうか。
私たちの「会う」を奪わないで。私たちは一緒にいたいだけ。
顔を見て、笑って、ゲラゲラと、お腹を抱えて、、。感染という重石にぐっと圧されて、今日も息が、なんだか苦しい。
コロナ、もう来なくていい。
あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること
Your happening, has happened, will happen
by Olafur Eliasson