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2024.07.1118年目。
塾を開いてから、7月11日で17年になりました。いま、ながみ塾は18年目を迎えています。
17年間もの間、私は一体何をしてきたのだろうかと、ふと考えてみました。もちろん単純に言えばお勉強を教えて受験の手伝いをしてきたわけですが、そのことの意味は何であったのか、と考えてみたのです。私は、生徒さんたちの学力と心、将来を守ろうとしてきたのだと思います。
塾を開いたのは、ちょうど自分の5人の子供のうち、長女と4歳離れて生まれた双子の息子たちが、小学校6年生の夏でした。その1年前、息子たちが5年生の夏、私は人生の転機を迎えていました。自分の人生をやり直す。もう一回立ち上がる、と決心した38歳の私は、ようやく自分本来の気力を取り戻すことに成功しました。高校生の頃からの念願だった海外の大学に正規合格を果たしたからです。TOEFLとIELTSを取るのに半年かけました。英語を勉強し直すうちに、私は思い出していました。計画、粘り、研究、そして一番大切な、根性。
それで自信がついたのでしょう。もう受かった大学に行く気はありませんでした。海外の大学は入ることはできても、4年間やり遂げる方がはるかに大変だと、何度も父から聞かされていました。また母子家庭で5人の子供を育てている私が、どうして留学するお金を持っているでしょう。私は、ただ自分を立て直すために、受験をしたのでした。ですから合格証を見て、十分だ、と思いました。
そこで息子たちを呼び、目の前に座らせ、尋ねたのです。
「ママは十分自分にお金をかけて勉強しました。この後は、君たちが望むなら、ママは教える方に回ります。あなたたちの踏み台になってあげます。お勉強がしたいですか。自分にお金をかけて欲しいですか。それとも、気楽にのんびり遊んでいたいですか。それなら…ママはまだ、席を譲りません。もうちょっと自分にお金をかけます。どうしたいですか」、と。
すると、2人の息子はこう答えたのです。
「僕たちは、運動も得意じゃないし、これと言って芸術的なことも得意じゃないです。でも、勉強だったら、なんとか人の上にも出れると思います。だから、やらせてください。」彼らは特に何の勉強もしていませんでした。塾やお稽古事にも通ったことはありませんでした。ですが、この答えを即答したことで、私はまた十分だと思いました。「では、踏み台になってあげます。」私はそう約束しました。
息子たちを本格的に教え始めたのは、それから1年後です。6年生の夏からです。では、なぜ、5年生の夏に声をかけたのでしょうか。それは、私が知っていたからです。小学校5、6年生の学習、特に受験勉強の内容が、高校生の国語、数学、その他全ての学習に、圧倒的な力を持つことを。
小学校高学年は、子供の体も脳も、目覚ましく発達を始める時です。その最初の黄金期(2回目は16~18歳)に、ゲームとスポーツだけではなんとも勿体無いのです。高度な算数は、数列、整数論、グラフの扱い、比の利用と、物理科学を進める時にも絶対に必要な、数学の極めて重要な根幹部分を含んでいます。この時に覚えたことが、私の高3理転を可能にしました。私はそんなに理科も数学も好きではなく、純文系のような勉強をしていました。雙葉高校2年生の時は、私は国立大学文系クラスにいたのです。ですが、高校2年になって、徐々に私は気がついたのです。やっと数学が面白くなってきたということに。そして、それは、私が知っている算数でした。「あ、これだ!これなら面白い!」
この体験があったので、父親のいない息子たちが、これから先上手く生きていけるように。もしかしたら私も早くに死んでしまったら、自分で自分の道を切り拓く力を持てるように。そう考えたのです。「僕たち、勉強する?」その質問には、ここがポイントだ。という強い信念がありました。
さて、このブログをお読みいただいている皆さまは、多くは保護者さまだと思います。塾をお探しですか。お子様の将来を案じておいでですか。子育ては、予習のできない応用問題です。やったこともないのに、見よう見まねなのに、毎日がいきなり応用問題なのです。「どうしたらいいの?」誰かに聞きたくなってしまいますよね。でも、それは間違いです。「どうしたっていい。」というのが正解なのです。ただ、「あなたの信念は何ですか。どのような子育てをしたいですか。」これが突きつけられ続ける問いです。
自分の信念で子供を育てる、ということを頑張ってください。どれもこれも、正解になってしまう恐怖を味わってください。あなたが決めるのです。
そして、冒頭に書いたように、もしこのながみ塾に来てくださって、気に入ってくださったお子さんは、私は全力で守りたいと考えています。もちろん全ての方が入塾する訳ではありません。気にいるかどうか、その時期かどうか、も大切な要素です。ながみ塾は宿題も出さず、習熟度別で行う楽しい塾です。ですが、厳しい塾でもあります。いつも信念が問われます。その厳しさを、お子様に教えないといけないのです。そうして覚悟を少しずつ固めながら、大きくなっていくことが、子供の心を守ることになります。いきなり荒波に放り出すのは、なんとも可哀想です。
医者は患者さんの生活の質と健康を守ります。私は医師の免状は取ったけれど、体が健康な人でも、健康でなくても、等しく苦しんでいる人がいると考えました。その中には、自分の子供がうまくいっていない、、という悩みを抱えた親御さんもいるし、子育てが上手くできていない、と自分を責めて苦しんでいる人もいると思います。自分が病気であったり、忙し働かないといけない立場にあって、大事な子供にいろいろ世話をやいてやれないという人もいます。子供さんたちも、「自分、駄目かも…。」「なにか、楽しくない…。」「寂しい。」と苦しんでいる子もいます。
皆が皆、中学受験ができるでしょうか。皆が皆、私立の学校、大学に通えるでしょうか。そんなにお金をかけないと、子供の将来は守れないのでしょうか。私は出来る限り、塾代を安くしています。たくさん勉強する子にサービスしています。お子さんたちの将来を守ってあげたいと考えているからです。塾が皆さまの助けになるのなら本望だと、これが18年目の思いです。
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